学説の対立に関しては基本的な部分だけを押さえる
刑法は学説の対立の激しい法律です。
それだけにそれに巻き込まれると、何が何だかさっぱりわからなくなってしまうものです。とくに総論は哲学書とさえ思われる部分があります。
しかし司法書士試験の刑法は基礎的なところしか問われませんから、まずは
「構成要件該当性とは何か」
「違法性とは?」
「責任とは?」
といった大きなところをつかんでおくことです。その際、「なぜそのような議論が必要なのか」を考えて学習することです。
ポイントは過去の問題を中心に学習することです。出題は判例・通説が中心で、学説の対立がいわれるのは特定の分野に限られていますから、その分野に的を絞って学習します。
学説からの出題といっても基本的立場の違いさえ理解できていれば解ける問題で、あまり高度なものは問われません。勉強するときは根本的な対立点を理解することに努め、決して深入りしないことが肝要です。
刑法は事例問題として出題されることがほとんどです。したがって、つねに判例や基本書の具体例を分析する学習が要求されます。
さらに通説的な見解は必ず押さえておくことです。総論では犯罪を否定する事由を中心に学習し、各論で各犯罪類型の特色を上の図のようにカードにまとめておくと効果的でしょう。
刑法で押さえたい重要側項目チェック一覧
刑法で最低限抑えておきたい事項をまとめてみました
- 罪刑法定主義
口類推解釈と拡張解釈 - 刑法の時間的適用範囲
口六条の趣旨
口刑法の場所的適用範囲 - 不真正不作為犯
口要件の吟味 - 因果関係と錯誤
口事例の検討 - 正当防衛
口要件の吟味 - 緊急避難
口要件の吟味 - 違法性総論
口超法規的違法性阻却事由
口被害者の承諾 - 責任能力
口責任無能力の定義 - 故意
口事実の錯誤
口方法の錯誤について具体的符合説と法定的符合説の差違 - 未遂
口実行の着手時期
口中止犯の要件 - 共犯
口共同正犯の要件
口教唆犯の要件
口箒助犯の要件 - 共犯と身分
口非身分者と身分者の各関与の具体的事例の検討 - 科刑上一罪
口併合罪
口累犯 - 公務執行妨害罪
口要件
口暴行は間接暴行(物理的感応)でよいか - 強制執行不正免税罪
口要件O逃走罪
口加重逃走の主体 - 犯人隠匿、証浬滅罪、偽証罪
口要件 - 賄賂罪
口単純収賄罪、受託収賄罪、法収賄罪、事後収賄罪、斡旋収賄罪等の構成要件の分析 - 逃走罪
口加重逃走の主体 - 犯人隠匿、証浬滅罪、偽証罪
口要件 - 通貨偽造罪
口行使の意味
口交付とは - 文書偽造罪
口公正証書原本等不実記載罪の成立要件 - 有価証券偽造罪
口作成名義の冒用 - 住居侵入罪
口推定的承諾 - 窃盗罪
口着手時期
口不法領得の意思
口欺岡行為があった場合の詐欺罪との区別 - 詐欺罪
口不作為による欺岡 - 横領罪
口占有の意味
口不法原因給付による場合
口既遂の時期
口背任罪との区別 - 貼物罪
口各類型の区別 - 遺棄及び隠匿の罪
口遺棄の意義 - 騒擾罪
口暴行の四種