司法書士試験のマイナー科目を全部捨てると合格はできない
司法書士試験では出題数が少ないのに、そこそこボリュームがある「マイナー科目」がありますよね。
「マイナー科目」は、民事訴訟法・民事保全法・民事執行法、供託法、司法書士法、刑法、憲法のことです。
司法書士試験では、実際に全体の配点のおよそ82%が主要4科目(民法・不動産登記法・会社法(商法)・商業登記法)からの出題です。
マイナー科目は残りの約18%しかありません。
割合から見ても、主要4科目で点数を取るのは合格するのには当然のことです。
とはいえ、マイナー科目を全部捨てても司法書士試験の合格点には届かないので、おろそかにできないのが難しいところです。
ここでは記事前半ではマイナー科目の全体像を、後半では対策を解説していますので、参考にしてくださいね。
司法書士試験「マイナー科目」の重要性
司法書士試験では、試験で出題される全11科目のうち、出題数の多い民法・不動産登記法・会社法(商法)、商業登記法を「主要科目」として、それ以外の科目を「マイナー科目」として呼ばれています。
出題数の少ない科目が「マイナー科目」なんですね。
「マイナー科目」は全部捨てて、「主要科目」を完璧にすれば、司法書士試験は合格できるのでは?
そう思いますよね。
でも、司法書士試験に合格するためには択一式問題で、だいたい85%程度の得点する必要があります。
主要科目の出題割合が82%なので、ここで満点を取っても、合格点に届きません。
マイナー科目を捨て科目とすることができないんです。
司法書士試験各マイナー科目の出題数と出題傾向
憲法・刑法
午前の部の多肢択一式が35問出題されますが、憲法・刑法は例年、憲法が第1問〜第3問、刑法は第24問〜第26問で出題されます。
それぞれの科目で各3問出題されることになりますね。
憲法と刑法の出題傾向は、条文の判例から出題がされます。
民事訴訟法・民事保全法・民事執行法、供託法、司法書士法
民事訴訟法・民事安全法・民事執行法、供託法、司法書士法は午後の部で出題されます。
午前の部の多肢択一式も35問出題されますが、記述式も2問出題されます。
ただ、マイナ―科目は多肢択一式だけです。
- 民事訴訟法第1問〜第5問
全部で5問出題 - 民事保全法第6問
全部で1問 - 民事執行法第7問
全部で1問 - 司法書士法第8問
全部で1問 - 供託法第9問〜第11問
全部で3問
民事訴訟法・民事保全法・民事執行法の出題傾向は、ほとんどは条文の知識です。
まれに民事訴訟法で、制度の概念に関する判例からの出題があったりします。
供託法の出題傾向は、ほぼ条文と先例から出題です。
司法書士試験各マイナー科目の対策ポイント
司法書士試験合格には85%の得点が必要なわけです。
主要科目の4教科を全部満点とったとしても、82%。
残りのマイナー科目は18%ですが、主要科目で満点を取ることはほぼ不可能です。
仮に、主要4科目で満点を取っても、マイナー科目まで得点をしなければ合格点に届きません。
つまり、マイナー科目を疎かにできないし、捨てることもできないのが司法書士試験の特徴です。
マイナー科目の勉強にはメリハリが必要
マイナー科目までしっかりと勉強しておく必要があるといっても、やみくもに勉強してもただただ量が増えていくだけです。
出題の割合から考えても効率的に、試験に出題される項目に絞って勉強する必要がありますよね。
マイナー科目の出題の割合を考えると、割くことのできる勉強時間は、主要科目に比べて圧倒的に少なることは当然です。
マイナー科目は早い時期に学習を開始するのがおすすめ
- 時間を割くことができない
- メリハリをつける必要がある
マイナー科目を勉強する際には、この2つの特徴があります。
出題傾向からしても、条文レベルの安易な問題が多いんですね。
つまり、じっくり勉強できないけど、試験で点数を取るために条文レベルの記憶をしっかりしておく、という着地になります。
条文レベルとはいえ、理解が中途半端だと、なかなか記憶としての知識が定着しません。
よく、マイナー科目はマイナーだから、試験直前期にまとめて勉強を開始する、という考え方の方もいます。
でも、マイナー科目は早い時期に取り掛かっておくと、メリハリがつきやすくなります。
マイナー科目の過去問をチェックしておく
マイナー科目は安易な問題が多いです。
がっつり教科書読み込んで→過去問→問題演習、というパターンよりも、いきなり過去問を解いておくといいです。
要求される問題のレベルがそれほど高くないことがわかるからです。
そして、一度過去問をざっくり理解して、解ける合格レベルに到達すると、後で短時間で知識が復活させられます。
というわけで、マイナー科目こそ早めに取り掛かっておくことが短期合格につながります。
司法書士試験マイナー科目の対策まとめ
司法書士試験の勉強は、主要科目を重点に置きつつ、早めにマイナー科目の勉強を開始することです。
司法書士試験の勉強を回でも一通りすると全体像が見えてきます。
「マイナー科目」も過去問の繰り返しが大切です。
過去問を通して、どう問われるか、どうやって知識を使うのか、理解を深める勉強方法が有効です。
とはいえ、マイナー科目にがっつりハマってしまうと合格が先に延びてしまうだけです。
どれくらいの範囲をどれだけするか、勉強の強弱が必要です。
独学ではなかなか、マイナー科目のどこに力を入れるべきか、などメリハリがなかなかつきにくいものです。
司法書士試験の講座がある学校をうまく利用して、メリハリをつけると合格が早まります。