書式問題はふだんの学習で解答テクニックを磨ける
司法書士試験での書式の問題は午後の部で出題されます。
この2問の書式問題を解答するテクニックは、ふだんの学習の中で培っていく必要があります。
司法書士試験の書式問題を解くテクニックは、ふだんから
- 時間配分をつかむ
- 択一の問題を分析する
ことです。
少なくとも司法書士試験の2ヶ月前くらいからは、書式問題を意識して、「時間配分」と「択一の問題の分析」を取り入れて、いくことが必要です。
司法書士試験の書式試験の解答テクニックは、ふだんの勉強をしながら、解答するテクニックが養えるんですね。
ここでは、司法書士試験の所期し問題の解答テクニックを磨く方法を紹介します。
書式問題は実際の司法書士業務に直結している
司法書士試験の書式は、申請書を具体的に作成する能力を試す問題です。
昭和53年まではこの形式の出題はありませんでした。
昭和54年に司法書士試験が国家試験に移行したことを機に、書式問題が組み入れられました。
実際の司法書士業務を遂行していく上での力を試そうというものです。
申請書を書くことは、司法書士として実際に仕事をしていく上で中心的なもので、まさに司法書士がプロとして存在する理由もここにあります。
試験対策ということを超えて、合格後の実務に活かせる知識だと思って勉強できます。
実際に、書式問題に解答する内容は、実務で使う場合とほとんど変わりありません。
不動産登記法と商業登記法から一間ずつ出題される書式問題
書式試験は不動産登記法と商業登記法のそれぞれから一間ずつ出題されます。
書式問題は、考え方としては、論文の問題と同じと考えると、イメージが掴みやすいですね。
申請書という答案用紙に、判断した権利関係を反映させる論文を書くわけです。
出題の形式は申請書の空欄の部分を埋めさせるものが中心です。
ここ最近は、小問形式で、書式の解答をした理由を述べる部分もあります。
理由を書く、と言っても何千文字を文章にして、構成して書かせるのではありません。
書式の採点は減点方式
書式試験は、その申請書が完壁であれば満点なわけです。
完壁以上ということは考えられませんから、採点は減点法でなされます。
ということは、ある部分については実によくできているとしても、その部分の得点が加算されるわけではないんですね。
逆に、ある部分が不完全なら減点されます。
これが書式試験の難しいところです。
だからといって細かなことを問題にしているわけではありません。
司法書士としてどうしてその判断をしたのか、法的判断能力が備わっているか否かという点を問うているのです。
受験2カ月前から毎日1通書式を書く
書式試験には、「ここだけは間違えてはいけない」というポイントがあります。
つまり「これを間違えたら司法書士としての能力に欠ける」とされるポイントです。
出題されて、間違えてはいけない部分が5つあるとして、3つを間違えると、その年の合格は相当きつくなります。
それくらい、法的判断で間違えてはいけない点を、きっちりと見極めて学習することが必要なんです。
解答すべき登記を間違えたら、それだけでアウトです。
たとえば、登記の目的や原因、効力日付、当事者の間違いなどは致命的です。
とくに日付については十分チェックする必要があります。
択一試験で満点近く、8割以上の点をとっても、書式の法的判断の部分ができなくて合格できなかった例もあります。
逆に書式科目で満点をとれば、択一試験が7割ちょっとでも合格できます。
書式の勉強は、細かいことに気をとられないで、ポイントを絶対に間違えないことが重要です。
そのためには、書式対策は書いて体で覚えていくことです。
試験の2カ月くらい前から1日に1通は書式を書くことをお勧めします。
頭ではわかっていても実際に書くということは別ものです。
またできあがった書式を見て、問題を再現するというような訓練もぜひやってください。
確実に書式の問題を解く力がつきます。
要するに書式はいろいろな法律問題の検討を経て作られたものなので、逆に書式からそれらの法律問題を推測するということです。
択一式の過去間を分析すれば書式試験の傾向も見えてくる
書式の問題傾向を知るための受験雑誌や問題集はたくさん出ています。
しかしそれにとらわれずに、徹底的に過去10年間の択一問題を分析して書式化することで書式問題の傾向がつかめます。
というのも書式と択一式試験は別のものではありません。
択一式で出題された問題は、出題者がそのテーマを「司法書士としての能力を選別する上で重要だ」と考えているということだからです。
いろいろと多くのものに手を出さずに、過去問題に範囲を絞って、その中でイメージをつくりあげていくことが重要です。
そして大切なことは、申請書の作成を素直に手続きの順番に沿って考えていくことです。
見たことも聞いたこともない難しい問題は書式には出ません。
逆に、いろいろな知識があるからといってできる問題ではありません。
むしろ、過去の択一の問題から意図して書式として出題されています。
時間配分のため試験では書式問題からとりかかる
不動産登記法と商業登記法から各題ずつ、合計2問しか出題されない割に、解答するのにはものすごく時間がかかります。
書式の問題をどうやって処理するかによって、同じ試験内で解く択一試験に解答する時間が決まってしまうのです。
書式問題と択一式問題が混在する午後の試験で受験生が苦労するのは時間配分です。
試験時間は2時間なので、書式の記入には最低40分はかかります。
択一問題から始めて、それが終わってから書式を書く人もいますし、その逆の人もいます。
どちらでもよいのですが、書式科目から始めるほうをお勧めする合格者は多いです。
択一問題が早く解き終わればいいですが、問題数が多いのでどうしても時間がかかります。
書式問題は、考えながら書いていくので、あとに回すと焦ってしまうんですね。
法的判断を間違えると、その部分だけが減点されるのではなく、司法書士試験そのものに合格できないレベルになってしまいます。
普段の勉強の中で、書式試験の時間配分をつかむ練習は必要です。
択一式問題でも同じですが、書式問題で問題を読み間違えないように、最低3回は読むくらいでいた方がいいです。
「どうしてこういう問題が出たか」、出題の意図をしっかりと押さえるために、落ち着いて問題を読むことが重要です。
書式問題を解くための時間配分や、法的判断を確認するためには、司法書士試験の講座のある学校の直前講習や直前模擬テストあたりを受けると、感覚がつかみやすくなります。