六法を使いこなすテクニックが大事

六法を使い分けて司法書士試験の勉強をする

 

司法書士試験は、法律の条文そのままの問題が出題されることもあります。

 

ということは、六法をまるまる暗記すれば、カンタンに試験問題は解けそうな気ががしますよね。

 

ポケット六法なんかを常に持ち歩いて、ひたすら丸暗記。

 

でも、六法を完璧に暗記しても、司法書士試験に合格することはできません。

 

もっと大事なのは、どうしてその条文があるのか、という理解だからです。

 

だから、六法は理解するための手段として使いこなすのが、テクニックとして大事なんですね。

 

ここでは、司法書士試験で六法をどうやって使っていくべきなのか、例を挙げて紹介します。

 


六法の丸暗記ではダメ

 

司法書士試験の過去問を見ると、法律の条文そのまま、という選択肢もありますよね。

 

でも、大学入試で英語辞書の持ち込み可、と違って、司法書士試験では、六法の持ち込みができません。

 

じゃぁ、六法を丸暗記するか!という手段を考えてしまいます。

 

法律の勉強は六法の丸暗記だと思っている方は、世間一般的には多いんですよね。

 

朝から晩まで六法をただひたすら暗記しているイメージなんでしょうか。

 

ところが六法を丸暗記したところで司法書士試験には合格できません。

 

法律は理解することに意味があるのです。
いいかえると、「法律的な思考法」を身につけることなのです。

 

たとえば、民法を勉強し始めて最初に出会うのがこんな問題です。

 

人間が権利を取得できる資格は「出生」のときからです。

 

民法第1条の3には「私権の享有は出生に始まる」と書かれています。

 

条文では単純に「出生」と書かれているだけです。

 

権利を取得できるのが出生のときから、というのはそれほどわかりづらいことではありません。

 

出生したときから人間として扱われるということであり、人間として扱われる以前には権利を取得できないというだけの話です。

 

ところがこの「出生」がどういう意味かということに関しては条文では何も説明していません。

 

ここで「出生」とは、通常、出産の際、胎児が母体から出てくるときには、まず頭が最初であり、最後に足が出てくることになります。

 

もし足から出てくる逆子なら、最後は頭になります。どちらから出てくるにせよ、順をおって、しかもある程度の時間をかけて出てくるのです。

 

そこで、ここに三つの見解の対立が生じます。

  • 第一の見解は、一部露出説といわれる見解です。

    とにかく体の一部が出てきた時点で「出生」になるという考え方です。

  • 第二の見解は、全部露出説といわれる見解です。

    頭から足までの全部が母体から出てきた時点が「出生」であるとする考え方です。

  • 第三の見解は、独立呼吸説といわれる見解です

    全部出てきただけではまだ「出生」とはいえず、自力で呼吸をしてはじめて「出生」であるというものです。

この三つの見解が、同じ「出生」という言葉に関する理解の違いになるわけです。

 

要するに、条文の言葉を知っているだけでは意味がなく、その言葉がどのような意味なのかを知ることが大切だということなのです。

 

法律は条文を眺めてただ覚えればよいというものではありません。

 

その意味や成り立ちを十分に理解しなければ試験の点数に結びつかないということです。

 

だからこそ、時間がかかるんです。
そのためにいかに合理的に勉強していくかが問題になります。

 

六法は一年で買い替える

 

六法の使い方をみればその受験生の実力がわかる、と言われます。
英語の辞書の使い方で英語の実力がわかるのと同じですね。

 

飽きずに、こまめに、注意深く、さらに他の関連条文にも気を配ることが必要です。
六法が一部の法条に偏らず、満遍なく汚れるようになったら合格間近です。

 

六法はできれば一年ごとに買い替えてください。
同じ六法を何年も使っている人を見かけますが、法律は常に動いています。

 

毎年、何百という法規が生まれ、改正され、そして廃止されているのです。

 

一方司法書士試験は条文の解釈を問う試験です。
条文こそこの試験の中心に位置するものなのです。

 

法改正に迅速に対応するためには、毎年買い替える必要があるのです。

 

中型サイズは家にポケットサイズ六法を持ち歩く

 

六法には大きく三つのサイズがあります。

 

もっとも大きいのはいわゆる六法全書(有斐閣)です。これは二巻に分かれており、あわせると厚さ10センチもあります。
六法全書には特殊なものを除いて、ほぼすべての法規に関しては網羅されています。

 

次に小六法、模範六法などの中型のものがあります。そして小型のものとしてポケット六法があります。これは新書判程度の大きさです。

 

司法書士試験の勉強の場合は、中型とポケットサイズのものをお勧めします。

 

ふだん机で使う場合は中型です。

 

これは条文もある程度網羅されていますし、判型が大きいので鉛筆で気づいたことなどを書き込むこともできます。

 

参照にする、確認するだけ、と決めているなら、iPadなどのタブレットでも用を果たすことができます。

 

一方ポケットサイズは、常に携行して何か疑問があったらすぐに調べたり、暇な時間に条文を読んだりするにはもってこいです。

 

条文は何か疑問に感じたり、頭に浮かんだりしたことがあったら、億劫がらずにすぐに確認する、すぐに六法をひくという習慣を身につけることが必要です。

 

そのためにもポケットサイズは常に持ち歩いてください。

 

また六法全書に関しては、財政に余裕があれば揃えておいたほうがよいでしょう。
最近では模範六法のアプリ等も出ています。

 

拡大コピーをとったり条文ごとにバラしてサブテキスト代わりにする

 

六法を拡大コピーする方法もあります。

 

これは各法律を拡大コピーしてホチキスでとめ、その空欄に書き込みをしてノートとして利用するものです。拡大することによって文字も読みやすくなり、印象も深くなるはずです。

 

また六法を各条文ごとにばらして表紙をつけ上着のポケットやハンドバッグなどに入れていつでも利用できるようにするのも効果があるでしょう。

 

司法書士試験は条文を理解することがポイントです。

 

たとえば、民法の550条では書面によらない贈与は取り消すことができるとしていますが、
「この場合の取り消すことができるのは誰か」
と問われると、たいていの受験生が贈与をする人、つまり「贈与者」と答えます。

 

しかし、条文をよく読むと「各当事者...取消す....」と書いてあります。
「各当事者」ですから贈与者も受旅贈者も取り消せるのです。

 

このように条文は先入観な渇く読むことが必要でし、六法は試験の命ともいえるのです。

 

だからこそ、ただ眺めて暗黙記するだけではなく、自分が理解しやすいようにとことん作り替えていく工夫が必要なんですね。

 

司法書士試験の予備校の六法の使い方

 

司法書士試験のための予備校では、講座の中で六法を使うときがあります。

 

一般的には、指定の六法があるわけではありません。

 

講師の説明の中で「民法○○条を見てみましょう」というと、六法をぺらぺらとめくる、というスタイルですね。

 

講座のテキストに書かれている場合もありますが、全部は載っていません。

 

大手の予備校(伊藤塾LEC東京リーガルマインドTAC・WASEDAセミナー)など従来型のスタイルのスクールでは、コンパクト六法などを辞書的に使うため、授業中は手元に揃えておくように指示されます。

 

ところが、最近のITをふんだんに駆使した資格スクール(STUDYing(旧通勤講座)資格スクエア)では、テキスト自体をインターネットのクラウド上におくことができて、自分用にカスタマイズできます。

 

つまり、予備校のテキストに六法の必要な箇所を差し込むことも可能なんですね。

 

六法に載っている条文は、本のタイプでもデジタルでも全く同じです。

  • 今までみたいに本を使ってアナログで六法を使いたい
  • 条文は必要なところにあればデジタルでいい

ただ単に使い方が違うだけです。

 

司法書士試験の講座のある学校を利用する場合には、六法の使い方も、違ってくる、という事になります。

 

司法書士試験の予備校の六法が、自分にあったスタイルで使えれば、勉強も効率的にできるはずです。

 

 

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