択一の問題は全部マークする
司法書士試験の択一式試験というのは午前の部と午後の部の両方に試験があります。
午後の部はこの択一式の他に書式試験があります。
司法書士試験択一式の解答テクニックは「マーク」です。
マークをしなかったり、間違えたマークをすることで、司法書士試験に合格するかしないかが決まる、と言っても過言ではないくらいです。
ここでは、司法書士試験の択一の解答テクニックを磨くために、普段の勉強からすべきことを紹介します。
司法書士試験の択一式試験でかならずすべきこと
択一式試験でかならずすべきことは、
- マークは必ずする
- マークミスをしない
マークはかならずする
択一式試験は五肢選択式問題で5つの記述から正解を選び出す問題形式です。
この形式の特徴は、わからない問題でもマークさえすれば20%は正解の可能性があるということです。
択一の問題の1問の配点は3点です。
極端なことを言えば、答えさえあっていれば、あてずっぽでとりあえずマークした3点と、一生懸命解答した3点は同じ価値、ということになります。
試験中に、「もう今年はダメだ」と感じても、かならずマークをすることで、自分のマークセンスもチェックできます。
時間不足で問題のやり残しがあっても、どんな選択肢でもいいからマークしておくことです。
マークミスをしない
マークミスをしないことが重要なのは、せっかく正解を導いたのに、マークミスをしただけで、不正解になってしまうからです。
たとえば、2つマークしたり、飛ばしたりしたりすることですね。
結構ミスはあります。
マークセンスに慣れている世代は別ですが、中年グループは注意が必要です。
ミスは人の性格に大きく左右されることがあるので、自分の性格を客観的にみれるようになるのも、択一式の解答テクニックの一つになりますね。
択一の解答時間にかける時間は1問3〜4分
問題数は午前の部、午後の部ともに35問です。
時間は午前が2時間、午後が書式と合わせて3時間ですので、ともかく一問3分から4分で解いていかなければなりません。
時間的な余裕はないと考えたほうがいいでしょう。
とくに最近の問題文は長文とは言えないまでも、何を言っているのか把握できない問題もあります。
へたをすると問題を読んでいるだけで時間が過ぎてしまうことになりかねません。
日頃から一読して問題の主旨を理解する集中力をつけておくことも必要ですね。
これは訓練で必ず身につきます。
たとえば本試験問題を学習するときは、集中する態度を意識的に持つようにしましょう。
また事例問題、たとえば「XがYから甲土地を買い受けたが、ZがYと……」というょうに関係者が複数出てくるときには、問題用紙の欄外にでも事案の概略を瞬時にメモできるように訓練しておくことも必要です。
当事者を誤ってしまうケースは、自分がパニックになってしまいますからね。
ケアレスミスを防止する方法
例えば、5つの肢から1つを選ぶ択一問題を解いている途中で、本当は「正しいもの」を選ばなければいけないのに、うっかり「誤っているもの」を選んでしまうのが、ケアレスミスです。
ケアレスミスのよくある原因としては、問題文をよく読んでいなかったという場合ですね。
ほかにも、問題を解くことでいっぱいいっぱいで、指示された「正しいもの」「誤っているもの」の記憶が逆になってしまったという場合もあるかもしれません。
せっかく、1つ1つの選択肢の正誤を判定できてでいるのに、ケアレスミスで間違えてしまうのは本当にもったいないです。
わかっているのに、解答欄でミスをしてしまうケアレスミスを防ぐコツは、後で見返したときにすぐに確認できるように問題用紙に書き込みを加えることです。
問題文を読むときに「正しい」「誤り」の指示が明記されているところを使っている鉛筆で囲んでしまうといいですね。
問題を読むときも意識して読み進めることができます。
もしあとで記憶があいまいになっても、「正しいもの」「誤っているもの」どっちが問われていたのかすぐに確認できて、ケアレスミスを防ぐ効果がありますよ。
午後の択一のキーワードは複合化と多様化
午後の部については、同じ試験内で書式問題も解かなければいけない兼ね合いもあり、択一式問題にどれだけの時間を使うかの作戦を十分に練っておかなければなりません。
この時間配分をどうするかは、どの合格者も非常に悩んだところです。
択一式問題の最近の出題傾向は、複合化と多様化です。
この傾向は司法試験の択一式試験の傾向と類似しています。
一昔前までは司法書士試験の択一式試験は、条文を単純に知っているか否かで答えを導き出せた問題がほとんどでしたが、最近は正確な知識と情報処理ができないと、そうはいきません。
複合化というのは色々な視点から事例問題を分析して、その正否を決定していかなければならない問題です。
民法総則の知識があれば解けるとか、物権法だけで解けるというものではなくなってきました。
法律に関する横断的な知識を要するということです。
多様化というのは問題の形式が様々な形態になったということです。
まず、「正誤組み合わせ問題」という形式が増えてきました。
今までの五肢択一形式は5問の短文があって、その中の誤っているものか正しいものを一つ選択するというものがほとんどでした。
したがって必ず各肢が法律的に見て正しいか、誤っているかのどちらかだったわけです。
つまり、時間がないときは「これが答えだ」と確信したら、その時点で次の問題に移ることができました。
答えが@だと確信したら、残りの四肢は読まずに次の問題に移れたわけです。
また、明確に答えがわからない場合でも各選択肢を比較して相対的な判断で解答を選ぶこともできました。
ところが最近の問題には、
- 「正しい答えはいくつあるか」
- 「正しい答えの組み合わせはいくつあるか」
- 「正しい答えの組み合わせはどれか」
などという正誤組み合わせ問題形式のものが増えてきました。
この形式の問題では、すべての選択肢について正誤を確定しなければなりませんから時間を前述のように節約することはできません。
また、選択肢を比較して相対的な判断で答えを出すわけにはいきません。
絶対的な判断が必要とされるのです。
さらに「空欄補充問題」があります。
空欄に入る語句を選択するものです。
これも理解に基づいた知識がなければ埋められません。
この形式の問題は、基本書を読むときに「キーワードは何なのか」ということを常に念頭において勉強していれば確実に解ける問題です。
次に、判例や法理論をバラバラに分解してそれを並べかえる問題、いわゆる「文章並べかえ問題」もまれにあります。
単に並べかえをクイズまがいに問うているものではなく、法律の文章として論理的な配列を見分ける能力を問うているものなのです。
あくまでも出題者の意図はこの論理的思考を試すことにあります。
法律文書を読む日頃の姿勢が試されているわけです。
司法書士試験の択一式の問題は、独特な問題ではなく、勉強をしていれば解答できるものばかりです。
先に、解答テクニックに走るのではなく、インプットを中心に普段から勉強を進めて、アウトプットとして択一式の問題を解くオーソドックスな方法が、一番合格への早道になります。
解答の方法を研究するための解答テクニックとしては、過去問の他に、司法書士試験の直前期になると、大手の予備校(LEC東京リーガルマインド、伊藤塾、TAC・WASEDAセミナー)では択一答練や、模擬試験で十分に対応できるはずです。