司法書士試験の初学者は独学を避ける

司法書士試験の勉強開始から合格まで

 

司法書士試験を受けるにあたって、独学で良いのか、専門学校で学ぶべきなのか、どのような本で勉強すれば良いのかいろいろ悩むところです。

 

人それぞれぞれ、環境が異なるので自分の環境と相談した中で、最善の方法を見つけていくしかありません。

 

すでに法律が体系的に理解できていれば、問題集などを利用して理解力を深めていけば良いのかもしれません。

 

ただ、はじめて法律を勉強し、司法書士試験に挑戦しようとする人は、司法書士試験の講座のある学校を選びたいものです。

 

初学者にとって、法律はやはり理解しにくいことが多く、独学だけでなんとか勉強し合格しようなどと考えるのは、あまりおすすめできません。

 

たしかに、独学で司法書士試験に合格することは可能ですが、短期合格は無理です。

 

司法書士試験の講座は、司法書士試験という「山」を日々研究し、その「山」の気象状況や最良の攻略方法を知り抜いています。

 

講座を利用することは、いわば「優秀な山登りガイド」をつけるようなものです。

 

軽装のまま磁石や地図などなんの装備もしないで上りはじめると、道に迷ってしまううちに力尽きてしまうかもしれません。

 

司法書士試験では、いち早く林を抜けて、山頂と下界が見えるラインに立つ必要があります。ここまでのガイドの役割は非常に重要です。

 


どこの学校の司法書士講座がいいか

 

合格者を多く輩出している学校の講座であれば、法律の理解を導けるノウハウは確立しています。

 

自分とマッチングした講座であれば、どこでもいいでしょう。

 

下記の学校がいわゆる大手、と呼ばれている学校です。

カリスマ講師といわれている講師のいる学校ばかりなので、チェックはしておきましょう。

 

他人にとってカリスマ講師でも、自分にとってのカリスマ講師になるとは限りませんが、自分にとってのカリスマ講師、カリスマガイドを見つけられれば、司法書士試験の感動を持って、楽しくできることにもつながります。

 

インターネットで司法書士講座を受講する方法

 

通学が無理であれば、通信教育等が充実しているところなど、現在の自分の環境で無理なく利用できるところを優先的に考えるべきです。

 

今は、インターネット専業で司法書士講座があるところもいくつかあります。

 

ここ数年で、いくつかの資格試験の学校ができたと思ったら、IT企業が資格試験の講座を作っていた、という、資格スクエアなどがあります。

 

講座の内容や、教材も妥協していないのですが、講師は大手のように数人いるわけではないので、選択の余地があまりないのが欠点です。

 

ベテラン講師を揃えてはいますが、最終的には自分との相性になります。

 

司法書士試験合格まで一週間のスケジュールを立てる

 

司法書士試験合格までは長い道のりですが、1週間ごとのスケジュールを自分で立てることによって、積み重なって、合格に至ります。

 

司法書士試験勉強に捻出した時間をどうやって勉強に当てるかということですが、重要なのが一週間のスケジュールを、時間の使い方を意識して、どうやって立てるかということだけで、とても効率よく勉強ができます。

 

大時間、中時間、小時間を使い分ける

 

スケジュールを立てる際のポイントは、勉強に当てられる時間を大時間・中時間・小時間の三つに分け、それぞれの使い方を考えることです。

  • 大時間は休日に好きなだけとれる時間
  • 中時間は平日にある程度まとめてとれる時間
  • 小時間はまさに分刻みの時間

です。

 

たとえば、誰でも小さな時間が大切なのはわかっています。
しかし現実には、ボーとしていたりする。携帯いじり、人との待ち時間、トイレの中、駅までの時間……小さな時間が生まれる場面はいくらでもあるはずです。

 

まず、この時間を使わない手はありません。
しかしこの細切れの時間、「小時間」を有効に生かすには、それなりの準備が必要です。

 

たとえば上着のポケットからすぐにカードや小型ノートが出てくるようにする。

 

常に勉強できる態勢なら「小時間」を高密度な時間にすることができるようになります。

 

すき間時間にスマホをいじっているのなら、ネットで講義や問題を解くことができる資格スクール(STUDYing(旧通勤講座)資格スクエア)もあります。

 

大時間にカードやノートを作る

 

「大時間」は中時間、小時間を合理的に使うためにノートやカード作りをします。
どちらかと言えば、作業といったほうがよいかもしれません。

 

このような作業はどうしても時間がかかるため、週休二日のサラリーマンなら、土曜日は一日これに当てることにします。

 

たとえば大時間の日にまとめて、基本書を朗読して音声に録音します。
最近では、Youtubeで非公開にして、アップロードする人もいますね。

 

そして「小時間」にiPodやスマホで聞くわけです。一度自分で朗読するので、記憶の定着度は抜群です。

 

また最近のスマホのアプリには「早聞き」なるものが付いているものがあります。
Youtubeだったらデフォルトで、1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍速を選ぶことができ、早く聞くことができるので能率的です。

 

さらに音声を使うと法律用語が読めるようなります。
読むとなればどうしても辞書を引いて正確な読みを調べる習慣がつくからです。

 

よく「ノート作りやカード作りは時間の無駄」という人がいますが、これは十分に時間のある人がいうことです。

 

時間があれば、何度も何度も参考書を読む時間があるから、ノートやカードの類は必要ないかもしれません。

 

しかし時間のない人は、試験直前に短期間で見直すことができるものを自作しておくことが有効なのです。

 

毎日の勉強・中時間には基本書を読む

 

問題は毎日まとまった時間、「中時間」をいつとるかです。

 

帰宅後か出勤前のどちらかになりますが、夜はあまり勧められません。

 

毎日規則正しく帰宅できる人ならともかく、残業やつき合いなど非常に計画が立てにくいからです。
また家族と過ごす時間も貴重ですね。

 

結局、サラリーマンの「中時間」は出勤前ということが多くなるはずです。

 

たいへんですが、たとえば二時間早く起きて中時間に当てる。
家族より早く起きて誰にも邪魔されない時間に勉強です。

 

この中時間には基本書を精読することです。
ちょうど、1時間から2時間という時間は、飽きずに読書できる時間でもあるのです。

 

朝の一番頭の冴えたときにするには、これ以上のものはありません。

 

中時間で勉強した内容を大時間でノートにまとめ小時間に活用する

 

大時間、中時間、小時間は、それぞれ関連し合って使ってこそ意義があります。

 

基本は中時間です。
毎日、中時間を使って教科書を読む。そして大時間のとれる週末にその一週間に読んだ部分を復習をしながら、ノートやカードを作る。

 

そして、その作ったノートやカードは小時間を有効に使うための道具とするわけです。このような学習方法は、一見まどろっこしそうに思えますが、その効果は抜群です。

 

例として、民法の総則の「人」と「法人」の部分に関して一週間で勉強する際のスケジュールを「大時間」「中時間」「小時間」に分けて立ててみましょう。

 

「人」と「法人」の部分は標準的な基本書のページ数で70ページ程度です。

 

月曜日から始めたとすると、中時間を使って金曜日までにこの70ページを精読します。

 

一日に20ページ読めば2回繰り返し読むことができます。そして土曜日か日曜日に8時間程度時間をとって、この部分の重要なところをノートやカードにまとめるのです。

 

とくに基本書の重要部分は音声にしておきます。

 

次の週は月曜日から中時間を使って「物」「法律行為」の項の精読に入りますが、この週の通勤時間や昼休みなどの小時間には「人」「法人」について、カードやノート、音声レコーダを使っておさらいをします。

一週間のスケジュールを立体的に組み立てて、一分でも無駄なく勉強するように心がけるのです。

 

受験生の中でも社会人はどうしても時間が限られていますよね。

 

小時間は、いわゆるすきま時間です。
やることをあらかじめ決めておいて、できることをやる、ということです。

 

覚えることが多すぎる不安に駆られたらいったんストップ

 

司法書士試験は科目も多く、覚えることが多いです。

 

覚えることが多く、どこから覚えていけばいいのかって悩んでしまいますよね。

 

多くの受験生が共通する悩みです。

 

受験勉強していると、テキストに書いてあることがすべて重要に見えて、覚えるのに不安を感じた経験はほとんどの合格者が体験しています。

 

そんな不安に駆られたら、テキストから一旦離れてみることがおすすめです。

 

そして、視点を変えて問題練習をしてみるのです。

 

問題を解くと、何が必要で問われるのかがわかります。そのあとに周辺知識を固めていくのも有効です。

 

自分自身のなかで覚えるべきポイントを整理しやすくなりますよ。

 

過去問でがっつり問題を解くと言うより、一問一答形式の問題がおすすめです。

 

テキストだけをひたすら読んで悩むよりも、問題練習として考えただけ印象に残りやすくなります。

 

そこから直感的に周辺知識の理解が進むことも多いです。

 

教科書を読んでいてもなかなか覚えられないと感じたら、一度試してみてくださいね。

 

全体像がつかめたら独学ですすめてもいい

 

司法書士試験の全体像、法律の全体像をつかむことができ、法律の理解も何とかなれば、あとは受験の最大のテーマの記憶の克服となります。

 

こうなると、一人で勉強することも楽しくなるでしょう。

 

もちろんガイドがいれば、その後もよりよい道を示してくれるはずですから、許されるならば司法書士試験の専門学校等を利用するにこしたことはありません。

 

ただ、この段階になるとまどろっこしい人もいるでしょう。自分のペースを守りたい人もいるでしょう。そのときの体力と気力の状況を見て、自分に相応した方法をそのときに選択すればいいでしょう。

 

試験直前、登山でいえば9合目を過ぎた頃からは、どうしても一人で上らなくてはならなくなります。ここからが本当の勝負となります。

 

多くの受験生が、この9合目で脱落していきます。ここでは何らかの力が必要になります。それを気合いとか根性とかいうのかもしれませんが、せっぱつまったがむしゃらな思いで乗り切るしかありません。

 

試験直前は勉強時間よりコンディション調整

 

学生時代の頃から、定期試験の直前は追い込みをかけることが、点数につながる、と経験している人も多いですよね。

 

確かに、ずっと勉強をしていなかった人でも、試験まで1か月にもなると、ラストスパートをかけるべき、と思うはずです。

 

でも、司法書士試験の直前は、ラストスパートをかけて勉強時間を増やすのではなく、コンディショニン調整が大事です。

 

その理由は、実際の本試験で自分の実力をフルに発揮できる人はほとんどいないからです。

 

実力の指数が100だとしたら、本試験では90を出すのか、70しか出し切れないのか。

 

そこで、試験の合否が決まります。

 

となると、試験直前でラストスパートをかけて、100から105にしても、コンディション調整ができなくて、70の力しか本番で出すことができないなら、ラストスパートに意味がないということです。

 

ということは、試験直前の期間は、自分自身のコンディション調整に当てることが明認になるんですね。

 

できるだけ、本試験にあわせた日常生活を送って、精神的にも体力的にも、できる限り試験本番と同じ1日のコンディションにあわせて調整することが大切です。

 

そうすることで、少しでも司法書士試験の本番にある、張りつめた会場の雰囲気に、自分のドキドキとがパニックにならず、90の実力を出す体にコンディションが整います。

 

コンディション調整をメインにすると、どうしても1日の勉強量は減ってしまいますが、精神的にも疲れをとることもできます。

 

だから、本試験直前は、勉強量が減ったとしても、不安を感じる必要はありません。

 

試験直前の1ヶ月は、あえて勉強を詰め込まない大きな計画をすることが、司法書士試験の勉強方法のコツでもあります。

 

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