独学でも合格できるが短期合格はできない
司法書士試験を完全に独学で合格することができるか
結論から言えば、
独学でも司法書士試験に合格できないことはないです。
ただし、独学で短期間(受験回数1・2回)では合格はできないという条件とセットです。
司法書士試験は、試験範囲が広いだけでなく、内容も深いところまで問われます。
すべての範囲を深堀していては、時間がいくらあっても足りません。
効率的に学習するには、一度は司法書士試験の予備校を利用することで、グッと合格までの期間が短縮されます。
理由は、勉強の中身を知らない素人が、司法書士試験の専門家の講師を超えられるわけがないからです。
司法書士試験を独学から進めていくのは、毒学なんですね。
ここでは、司法書士試験が独学で合格できるか、について検討しています。
独学は勉強の基本ではある
独学はすべての学習の基本です。その点をしっかり押さえておいてください。
世の中には、独学というと独りよがりに陥って失敗するという人がいますが決してそうではありません。
一般的に言われる、中上級レベル(司法書士試験を数回受けたことがあるレベル)になってから、自分の弱点を克服するための独学は、効果があります。
ただし、独学は勉強の基本ですが、「素直」が前提です。
特に、司法書士試験は、素直になることが短期合格につながります。
勉強の最初の段階から、独学で進めると、デメリットが大きいです。
独学で注意しなければならないことは、自分で「この勉強方法がベストだ!」「これが正解だ!」と思い込んでしまい、客観的に判断できないことです。
素直になれないと、合格は遠くなり、仮に合格しても、柔軟に考えられない難しい人になってしまいます。
司法書士試験を独学で勉強を開始する人の中には2タイプがいるんですね。
- お金がないから独学を試みる
- 試験の形態から独学を試みる
という人です。
それぞれ、長期的にどんな結果になっていくか、見てみます。
お金がないから独学を試みる
お金がないから、まずは独学で・・・
気持ちもわかりますが、いくら独学といっても、必要な教科書的な書籍と過去問は必須です。
まず、司法書士試験の過去問。
ざっくり計算すると
科目ごとに購入したとして、11科目で1科目3,000円とすると=33,000円
参考書も同じく購入すると、11科目で1科目3,000円とすると=33,000円
これだけで、ざっくり65,000円はかかってしまいます。
これだけで、独学で勉強をすすめて、自分で理解して、過去問の使い方もわかる?
相当な実力のある方ですね(^^)
もし、講座を受講すれば、こういった書籍などは講座代金に含まれていることがほとんど(学校による)なので、もしかしたらかえって独学の方が高くついてしまうかもしれません。
お金がないから独学で司法書士試験の勉強を進めようと考えると、かえってお金がかかってしまう、という結果になりかねません。
試験の形態から独学を試みる
司法書士試験とは、午後の部の「記述式」を除いて、解答はすべて5肢択一のマークシート方式で行われる試験です(5つの選択肢から1つの正解を選ぶ)。
論文試験のように、自分の手で 文章を書く試験ではないことも理由にあるようです。
「選択肢を選ぶだけなら、独学でもなんとかなるだろう…」
これなら、司法書士講座を受けなくても、ある程度できればなんとかなるんじゃないか・・・・
そう思われる方がいるようです。
でも、司法書士試験は選択肢の問題を仮に満点とっても、合格はできません。
「記述式」の試験があるからです。
記述式は、答えだけでなく理由を書いて点数になります。
選択式の問題のように、とりあえずマークすれば点数になるかも、という期待はゼロです。
独学では記述式の解答は、要領が掴めません。
当然、反復して学習することもできません。
独学では不可能とは言いませんが、できる人が多い中での合格率3%の試験です。
まず勝ち残るのは難しいです。
独学で司法書士試験に合格しようと思うなら覚悟しておくこと
独学で司法書士試験に合格することはとても効率がいいとはいえないのですが、それでもどうしても独学で学習を進めるなら、以下の気持ちが必要です。
- 受験回数が何回でもかまわない。
- ゴールは司法書士試験に合格することで、資格で社会に貢献することではない。
- わかりやすさはいらない。
確かに、合格者の中にも独学で合格された方もいらっしゃいます。
ほんのひとにぎりのスーパー天才!と呼ばれるような方もこの世の中にはいるからです。
でも、資格はポイントを押さえないと、いつまでも受からなかったり受験難民になってしまいがちです。
どうしても、独学で勉強をすすめたい!という方の特徴もあります。
- 法律学部出身だから、ある程度できる・・・
- 司法試験を勉強したら、格下の司法書士なんて簡単だ・・・
と、はっきりとは話さないにしても、ここにはプライド(おごり)が見え隠れしています。
短期で合格される方は、みなさん素直で謙虚で素直な方が多いです。
そして、ほぼ100%、司法書士講座の学校に通っていました。
司法書士試験に合格するなら、何よりも「素直になる」ことです。
純粋な独学は避けてください。
どうしても独学をせざる得ない場合は別として、答案練習会や受験生で作っているゼミに参加したり、司法書士試験に合格した知人に質問できる環境を作っておくことです。
こういった環境をあらかじめ作っておくことが独学を持続させる一番のコツです。
司法書士試験は、平均的な合格者は、合格までに数回受験します。
→司法書士試験合格までの受験回数 最も多いのは2回
司法書士試験の独学のデメリット
司法書士試験は細かいところでも実務で重要なら必ず出題されます。
要するにきわめて実際的な試験だということです。
このポイントをわかった上で学習に取り組むかどうかが、合否を決めます。
独学でも合格はできないことはありませんが、とても時間がかかります。
- 素直に、司法書士試験のプロである講師の指示に従う
- アドバイスや話は聞かず、独学で進める
実務を知らないのに、実際的な試験を受けるにあたって、独学に壁があるのがわかりますよね。
また、独学で合格しても、合格後にプライドや実務にマッチしない意識といった目に見えない弊害の影響すらあります。
朝型で勉強を続けることが必須
司法書士試験に限らず、さまざまな勉強をするときに、「朝か夜か」どっちがいいの?
と悩むことがありますよね。
たいていの場合、朝はつらいから、夜に勉強する、というタイプの人が多いです。
ところが、独学で司法書士試験に合格しようと思うなら、朝型の生活を続けることが必須になります。
- 仕事を続けながらの司法書士受験生
- 専業での司法書士受験生
どちらも、膨大な量を正確に覚えなくてはいけない司法書士受験生にとっては、頭がはたらいている状態が多いか、が重要です。
朝に勉強するメリットとしては主に3つあります。
社会人の場合は特に、夜になると抜けられない仕事や残業で、自分の思い通りにならないことがよくありますよね。
朝に勉強をすれば、だれにも邪魔されずに、かなり計画通りに勉強のペースがつかめ、頭がはたらきやすい状態が続きます。
頭がすっきりして、難しい問題を乗り越えてみよう!と気合いが入るのは、のは、脳が白紙の状態になっている朝です。
朝型なら負荷をつけ続ける時間も多いですしね。
朝に頭を使う勉強を続けていれば、試験の直前から試験のスケジュールにあった勉強パターンができているので、毎日の過ごし方を試験直前に合わせて変える必要がなくなります。
この3つのメリットが、夜に勉強するより朝に勉強をして有効に時間を使うメリットです。
独学で勉強をすると、どうしても怠惰になりがちで、「まぁいいや」と考える時間がだんだんの多くなってきます。そして、いつの間にか、負の方向に流されてしまいがちです。
そんなときに、「朝型」という行動の指針を持っていれば、それだけでも自分に自信を持つことができます。
司法書士試験に受かろうと本気で考える人は、合理的な判断で、朝型になっています。
司法書士試験が実際的な試験、というポイントが勉強段階でつかめないと、どうなるか。
独学は毒学
司法書士試験に合格して、実務をやろうと考えている人にとっては、間違いなく言えることです。
独学は、勉強の基本ですが、司法書士試験では最初から独学で勉強することはデメリットが大きすぎます。
もし、独学が難しいと思ったら、司法書士講座のある学校を利用したほうがいいです。
合格まで数年を縮めるなら独学ではなく司法書士講座のある学校を利用する
司法書士試験は、法律の資格試験としては難関の部類で、覚える知識量も膨大です。
一生をかけて、司法書士試験の勉強をしたい、というなら独学でもいいです。
でも、司法書士の資格をとって仕事をしたい、というなら、独学で勉強をすすめると一生かかってもどうかな、というレベルです。
効率よく勉強できる。
これが司法書士講座を受ける認識です。
時間を学校(資格試験の予備校)で買うイメージですね。
司法書士講座のある学校
大手の全国展開の学校
この3校は講座数も講師もかなりの数があります。
全国展開のため、地方の校舎ではDVDやネット上に登場しない講師もいます。
選択肢が多いのですが、相性の合う講師を探す場合は、人気度から入ってもいいかもしれません。
老舗の学校
大手に比べると、あまり聞かれない学校ですが、司法書士講座のある学校としては、老舗です。
通学して昔ながらのスタイルでの勉強、というタイプです。
有名なのは、講義より教科書や参考書がよく使われています。
インターネットの学校
インターネット中心で、受講料が大手より格段に安かったり、それぞれ特徴があります。
授業料が安いからといって、講師や教材内容は全く手を抜いていないです。
自分で編集できたりすることもできたりして、むしろ、独学で司法書士試験の勉強をするなら、インターネットの司法書士講座が最もマッチングしています。
独学でも、司法書士試験に1年か2年の短期合格を目指すなら、ネット受講で、すき間時間にもちょい勉ができる環境で、必要なところをかじるということなら、可能かもしれません。
→多忙なサラリーマンと司法書士試験の講座との上手なつきあい方
注目の学校
最近、司法書士講座のある学校として、力を入れ始めています。
インターネットの学校と注目の学校は、講座数は大手に比べると少ないので、講師との相性はとても重要な比重を占めます。